新しい家具を新調する際、その家具を選ぶ上で重要なポイントになるのが、お部屋に配置したときの動線を考慮したサイズ選びです。
動線の確保により、生活しやすい最適空間を生み出します。
ここでは、「モジュール」を基に、過ごしやすい空間作りのための様々な「生活寸法」をご紹介します。
動作空間
廊下や通路の幅
両側が壁に囲まれた通路や廊下では、大人1人が通る幅は、600mm以上必要です。
物を持って歩く場合は750mm以上余裕があるのが理想です。
また、大人同士2人が廊下ですれ違うには、1人が横向きになると900mm。
大人2人が正面向きの場合は1200mm以上必要となります。
図1:壁に囲まれた廊下や通路
動線を挟む家具との距離
室内での動作空間は、「人と家具」、「人と壁」、「人と人」の関係で決まります。
図2・3では、壁と家具の間に動線を確保するための距離をご紹介します。
図2は、正面を向いて通る場合の距離。最低でも600mmは必要になります。
両手で荷物を持ちながら歩く場合は800mm以上のスペースがあるのが理想です。
図3は、大人が横歩きをして通る場合、通路幅は最低でも300mmは必要になります。
背の高い家具を置いて通路を作る際は400mm以上の間隔を取らないと圧迫感が出てきます。
図2:正面を向いて通る場合 図3:横歩きで通る場合
ダイニングチェアの空間距離
椅子を引いて立ち上がったり、座ったりするスペースを含めた寸法が必要です。
テーブル天板の端から壁まで600mm以上は確保しましょう。
図5のように、椅子の後ろに通路が必要な場合は、食事をしている人にぶつからないように、テーブルから壁面まで1000mm以上のスペースが必要です。
図4:椅子と壁の距離 図5:人が通る場合
リビングの空間距離
図6はソファからテレビまでの距離です。
視点からテレビ画面は1300mm以上離れないと目が疲れてしまいます。
液晶テレビまでの最適な視聴距離は、画面のサイズによって変わりますが、一般的に、最適な視聴距離は、画面の高さの約3倍と言われています。
目安としては、37V型の液晶テレビで1400mm、40V型で1500mm、50V型で2000mmが最適な視聴距離となります。
4K対応テレビでは、上位距離の半分の数値が目安と言われますが、機種や環境により適正値は変わりますので、詳しくはお近くの家電店またはメーカーまでお問い合わせください。
お部屋のスペースとテレビサイズのバランスを取りつつ配置することが大切です。
図6:テレビ画面と視点の距離
収納家具との動作距離
収納家具が開戸や引き出しの場合、「開戸1枚の幅+人が物を取り出せる」ためのスペースが必要です。
図7のように、食器等の割れ物を収納する場合、使用頻度の高い場所はゆとりを持って800mm以上は確保しましょう。
また、図8の床接地面に近い引き出し収納があるの場合、しゃがんで物を取り出すためには、900mm以上のスペースがあると使いやすいでしょう。
図7:食器棚の場合 図8:引き出し収納の場合
対人距離
人と人の距離には、心理的、情緒的な意味から快適なバランス距離があります。
下図を参考にしながら、ソファの幅やダイニングテーブルの大きさを選ぶのもいいでしょう。
・家族、恋人など
・親しい友人や家族
・仕事上のミーティング
・家族の食事
・初めて対面する人や、ゆったりと対話するとき
・リビングでの対面距離
動線を確保して過ごしやすい空間計画を。
人間が過ごしやすいと感じる、様々な動作寸法や対人距離をご紹介いたしました。
ご案内させて頂いた寸法はあくまで基準値です。
ご自宅でご家族の動きやご自身の生活を想像しながら、よりストレスのない気持ちの良い空間計画を考えてみてはいかがでしょうか。
FLANNL SOFAでは、ソファ専門スタッフが、お部屋の間取りはもちろん、動線を含めた最適なソファ選びをご提案させていただきます。
お気軽にお問い合わせください。
参考文献:インテリア設計の実際 小宮容一著