ソファに使用されている様々な布地。
ソファに張られている布地は、経年や日焼け、汚れの付着等により、
どうしても色あせや生地の質感に変化が起こります。
また、新しいソファの場合でも、座面や背など、よく座る部分の生地だけが少し濃く見えたり、白っぽく見えたりすることがあります。
あまり使用していない内に、生地が色褪せてしまったのかと心配になりますが、生地の目の方向により、
生地の色目が変わって見えることがあるからです。
生地は通常、ロール状に保管されているおり、生地の目の向きは、一定方向に揃えられています。
ソファに張られた生地の上を人が座ることにより、生地の目や毛足の方向に変化が生じるため、
光の当たり方などによって生地の色目が変わって見えることがあります。
並目と逆目
「並目」
「逆目」
生地には、目の方向に沿って流れる「並目」と、
目の方向と反対方向に沿って流れる「逆目」といわれる向きがあります。
「並目」は、生地の目の流れに沿っているため、抵抗感のないつるっとした肌触りです。生地は、全体的に白っぽく見えます。
「逆目」は、目の流れと反対方向に毛足が立ち上がっているため、生地が逆立った感触のある、ややざらっとした肌触りです。
生地の色味は、全体的に並目よりも濃く見えます。
毛足の長いラグや衣類など、身近なものでイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
生地に人が触れることによって、生地の目の流れの方向にばらつきが生まれます。
ばらつきが生じた生地は、光の当たり方などによって、生地の色味が部分的に異なって見えることがあります。
この特徴は、マイクロファイバースエード等、毛足の長い生地ほど顕著に現れます。
ウルトラスエード® / HCシリーズ
目に沿っている状態と目を逆立てた状態。
目を逆立てた部分は、色味が濃く見えます。
ラグ
毛足の方向にばらつきが生じている状態。
生地のクセ
ソファでは、人が立ち座りをする、横になるといった様々な動作が繰り返されるため、 生地の目や毛足の向きがばらつきやすく、逆立ちしやすい状況にあります。生地の目や毛足がばらついた状態で、人の体重による負荷が長時間生地にかかると、 毛が逆立った状態のまま押しつぶされ、生地にクセがつきます。
このようにクセづいた生地の部分だけが"寝る"状態になることによって、目の方向と光の加減で、 生地が濃く見えたり、白っぽく見えたりします。
ソファがまだ新しい時は、生地に触れて目や毛足の方向に変化が出た部分と、 そうでない部分の差が表れやすいため、特に生地の色味が変わっているように見えます。
これは、布製の新しいソファによく起きる現象です。
ソファを使用していくうちに、様々な箇所に触れたり、座ったりすることで、生地全体が馴染んでいき、 生地の寝や毛足の方向のばらつきが目立ちにくくなります。
特に生地が寝やすい座面部分などは、目の向きに合わせて、手で生地を馴染ませるようになでておくと良いでしょう。
生地の目の向きが揃っている状態
生地がクセ付き、一部が"寝た"状態
生地のクセ付きが気になる場合
生地が寝てしまった場合でも、お手入れをすることで、ある程度、生地を戻すことができます。
①霧吹きをつかって、気になる部分に水を吹きかけます。
※天然素材(コットン等)が多く含まれる生地では、生地の色落ちにつながる可能性もありますのでご注意ください。
心配な場合は、クッションの裏など目立たない箇所で試してみてください。
②毛足が寝ている方向とは逆に向かって、生地を起こすイメージでブラッシングを行います。
※生地が傷つかないよう、やわらかいブラシを使用してください。生地によっては、若干毛羽立つ可能性があります。
十分注意して行ってください。
以上、生地の性質をご紹介いたしました。より長くソファを保つため、定期的なメンテナンスをして、より長くソファをご使用ください。