寝具、洋服に使用されることが多いイメージですが、ソファのクッション部分にも使用されています。 フェザーやダウンとの違いはどのようなものなのか、ご紹介していきます。
鳥の種類
鳥は大きく分けると、「水鳥」と「陸鳥」に分けられます。
名前の通り、水鳥とは、水辺に生息する鳥のことで、代表的にはアヒルやガチョウなどがあげられます。
一方、陸鳥は、七面鳥や鶏に代表される、水辺に生息しない鳥のことを指します。
詳しくは後述しますが、水鳥はフェザーとダウンがあり、陸鳥はフェザーのみでダウンがありません。
水鳥のものには弾力があり、かさ高(ボリューム)が出ることから、一般的には布団や洋服に水鳥が使用されます
陸鳥(ニワトリや七面鳥)
水鳥(アヒルやガチョウ)
フェザーとダウンとは
水鳥は、先述した通り体毛の形状がフェザーとダウンの2種類に分類されます。
フェザーは、わかりやすく言うと鳥の「羽根」の部分。
鳥にとっては上着にあたる部分となり、弾力性に富んでいます。一方、ダウンは鳥の胸元に生えている毛、タンポポの綿毛のような形状をしており、鳥の肌着の部分といえます。
では、製品として加工される羽毛は、どのようにフェザーとダウンの使い分けられているのでしょうか?
ダウン
保温性 | 良い |
---|---|
軽さ | 良い |
主に使用される製品 | ・コートやダウンジャケット (保温性を有する衣類) ・掛け布団 |
保温性に長けた素材から、主に保温性が必要とされる、布団や、防寒具に使用されます。 フェザーもあわせて、使用されることが多いですが、より保温性が高いダウンをメインに使用することが多いです。 |
フェザー
保温性 | 良い |
---|---|
軽さ | 良い |
主に使用される製品 | ・ソファ(クッション) ・枕 |
通気性・弾力性が高く、復元力と耐久性に優れた性質をもちます。 耐久性や復元力を重要とされることが多い、ソファの背もたれのクッションや座面のクッションでもフェザーを用いることが多いです。 |
フェザーの種類
フェザーには、ラージフェザーとスモールフェザーがあります。
名前の通り、大きな羽の部分(ラージフェザー)と、6.5cm以下の小さな羽根の部分(スモールフェザー)に分けられます。
このフェザーの大きさがどの程度の割合で入っているかによって、触り心地や質感に大きな変化がでます。
スモールフェザーは、ラージフェザーと比べると湾曲しているため弾力があり、ガサガサする感覚が少ない為、ソファに使用されているフェザーは、このスモールフェザーを用いることが多いです。
安価なダウンジャケットなどでは、ラージフェザーの比率が高くなりますが、スモールフェザーを多く使用したものは、ふんわりとした質感と、高い耐久性を得ることができます。
ラージフェザー
スモールフェザー
加工工程
フェザーやダウンは、水鳥から採取したばかりの無加工のままでは、 匂いや湿気、ほこりなどが付着した状態になっているので、そのまま製品にすることができません。 製品にするための加工工程をみてみましょう。
【1】除塵
加工の第1段階は、除塵機で汚れや、ほこり、
小さいフェザーなどはここで分別され、取り除かれます。
【2】洗浄
羽についた油脂や土汚れなどを落とすために洗浄します。しっかりと洗うことで、匂いの発生やほこりの混入を防ぎます。 加湿・除湿を含めて、洗浄を繰り返すことで、より快適に使用できるフェザーやダウンボールを作り出すことができます。
【3】乾燥
約150度の熱によって乾燥処理を行います。
乾燥機の中の羽は宙に舞いながら、水分を取り除き、減菌・消臭をされます。
ダニや雑菌はこの段階で取り除かれ、フワフワなフェザーやダウンを作り出すことができます。
【4】選別
加工が終わったフェザーとダウンに、風を送り込み、重いフェザーと、軽いダウンとを別々の部屋に分別されます。
【5】袋詰め
フェザーとダウンを、製品に合わせた分量で袋詰めしていきます。
フェザークッションの構造
フェザークッションを使用したソファの構造は下記の図のような構造になります。
フェザーが一方に寄らないよう、部屋わけされたキルティングにフェザーが入ります。
フェザーを使用したソファのクッション場合、フェザー単体では人の体重を支えきれず、底付き感が発生します。
そのため、背クッションには体をしっかりと支えられるように、ウレタンの芯材を使用します。
より加重のかかる座面のクッションは、硬質のチップウレタン、軟質のウレタンが合わさったもの(積層ウレタン)を用いることが多いです。
そこに弾力性のあるポリエステル製の綿とフェザーを加えることで、ソファとしての快適な掛け心地を生み出しています。
最適な部分の羽を使用した寝具や洋服、ソファは私達に快適な使い心地を与えてくれます。
羽の性質を理解し、フェザー・ダウンの快適さ、魅力を楽しんでいただければと思います。