FLANNEL magazine

ソファ専門スタッフからの
ソファについての「まめ知識」を、フランネルマガジンとしてお届けします。

TITLE :
ソファの裏話〜SIESTA編〜

FLANNEL SOFAの大人気ソファ、SIESTA(シエスタ)。
2009年の発売以降、特徴的なデザインと、座ったり寝転んだり、様々な使い方ができる機能性により
FLANNEL SOFAのアイコン的存在のソファとなりました。このソファSIESTAがなぜ誕生したのか、どのような思いでデザインされ、
作られているのか、FLANNEL SOFA FACTORYの職人兼デザイナーの高橋に、詳しく話を聞いてきました。

ソファSIESTAが誕生したきっかけは?

高橋:新しいソファをデザインする時に、今あるようなソファを作りたくなかったんです。その当時のFLANNEL SOFAにはない、「寝る」事に
特化したソファを作ろうと思いました。ソファとベッドの間のような、普段の生活に「ちょっと寝る」という要素をプラスしたソファが
あるといいなと思ったのがきっかけです。
その時、頭に思い描いたのが、スペインやギリシャの「SIESTA」文化。お昼寝をする文化がとても贅沢でいいな、と。
その「SIESTA」と言う名前が浮かんだタイミングと同時くらいに、デザインスケッチが出来上がりました。

デザインのポイントや気に入っている部分は?

高橋:「可愛い」感じではなく「かっこいい」ソファを作りたかったので、シンプルな部屋に合うソファをイメージして作りました。
女性的ではなく、男性的な感じだけど柔らかくと言うか...。
なので、肘部分は四角ではなく内側を斜めにして、枕にも肘にもなるような、あいまいなものにしました。
あぐらをかけて更に寝転べる、「SIESTA」的な過ごし方ができる事にこだわっています。

背の高さを変えていますが、このデザインにしたポイントは?

高橋:スケッチ段階では、シンプルになりすぎる傾向にあったので、デザインに変化をつける為に背の高さを変えてみました。
結果として、背の使い分けができるようになったのが良かったと思います。

脚をスチールに、他のソファとは違うデザインにした理由は?

高橋:浮遊した感じを出してスタイリッシュに見えるようにしたかった事と、新しいデザインの脚に挑戦したくて、この形にしました。

今となれば「あのグリーンのソファ!」とお客様に言われるほどグリーンのイメージの強いSIESTAですが
もともとグリーンのイメージでデザインしたのですか?

高橋:試作の段階から、グリーンにはしていました。当時のFLANNEL SOFAにはグリーンがあまりなかったような...。
発色の良い色が当時の僕のブームだった事もありますが、SIESTA=お昼寝、明るい心地良い眠りからの目覚め、
自然を感じられるようなイメージになるといいなと思って、グリーンを使いました。

FLANNEL SOFAの中でも、硬めの座り心地ですが、なぜ硬めのソファにしたのですか?

高橋:お昼寝から目覚めた時に立ち上がりやすくする為には、沈み込みが少なく硬い座面の方が使いやすいと思い、
仕上げる過程で徐々に調整していきました。あぐらをかいたり、お昼寝をするというSIESTAの使い方には、
硬い方があっているのかなと思っています。

なぜロータイプにしたのですか?

高橋:座面の高さを低くしたかったのが1番です。ソファとベッドの間のようにしたかったので。
床であぐらをかく感覚で、ソファの上でも過ごせるように、できるだけ低い座面にしました。
肘の高さは、作りながら自分の寝心地の良い高さに決めました。

苦労したところはありましたか?
また、その当時のFLANNEL SOFAにはないデザインだったと思うのですが、社内の反応はどうでしたか?

高橋:苦労はあまりありませんでした。デザインと製作を合わせて行っていたので、意見の食い違いが出る事もなかったですし。
自分自身も色々と模索しながら生み出していきました。社内の反応は、決して良いものではありませんでした。
当時のFLANNEL SOFAの王道だった、ベーシックや可愛らしいデザインとは全く違っていたので。FLANNEL SOFAっぽくなかったですね。
社内の人もそうでしたが、自分自身も売れるかどうかは不安でした。そんな時にショールームのスタッフが「おもしろい」と
言ってくれたのがすごく印象に残っています。

製作する上で、大変なところやこだわりは?

高橋:シンプルなデザインだからこそ、難しいんです。直線が多いソファなので、少しのずれでも、目立ってしまいますからね。
ラインが丸くならないように、綺麗にみえるように生地の縫製も、張りの作業もこだわって作っています。
SIESTAの縫製品(生地)は、座、背、肘が全て一体化しているので、角が一つでもずれると、ソファ全体のフォルムが崩れてしまったりするのが大変です。角を合わせればすごく綺麗に仕上がるので慎重かつ丁寧に作業をしています。

デザイナー目線での、おすすめの座り方を教えてください。

高橋:あぐらをかいて座って欲しいです。床よりもクッション性があるので気持ちがいいですし、あぐらをかいて、背にもたれられるのがいいですね。
背の高さを左右で変えているので、高い所は大人用、低い所は子供用にして使って欲しいです。

FLANNEL SOFAのベストセラーとなりましたが、こうなる事を予想していましたか?

高橋:全く予想していませんでした。「座る」事よりも「寝る」事に特化した、当時としては攻めすぎたデザインのソファだったので。
ソファとしてこんなに売れるとは思っておらず、自分自身も驚いています。

今後、SIESTAがどのようなソファになっていって欲しいと思っていますか?

高橋:お客様の声を沢山聞いて、より良いものに育っていって欲しいと思っています。
デザインは変わっていませんが、少しづつ中身はマイナーチェンジしていますし、今後も改良し続けてより良いものになるように追求していきたいです。

新たなデザインの方向性や、イメージはありますか?

高橋:SIESTAに代わる、次のFLANNEL SOFAの顔になるようなソファを作る事が目標ですが現時点ではまだイメージできていません。
また皆さんが驚くような新しいデザインのソファを作りたいと思っています。

日常の生活において、ソファに求める要素が多く詰まった「SIESTA」。
FLANNEL SOFAの代表的なソファとなった裏側には、作り手の思いや、創意工夫が織り込まれていました。

このソファSIESTAを、皆様のアイディアで自由に、楽しくお使いいただけると幸いです。
様々な使い方が出来るソファSIESTA。あなたならどう使いますか?

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