no.10 「スフェリコン」って何だ?!
先日のコンペで選ばれた「スフェリコン」ソファのデザイン検討が、現在TYPE A/Bと学生が中心となり着々と進行しています。
今回は、そんな「スフェリコン」ソファの魅力について、書きたいと思います。
そもそも、スフェリコンとは、『等高重心立体』と呼ばれ、回転しても常に一定の重心位置を保つ性質を持っています。1970年、イギリスのコリン・ロバーツという人が発見したそうなのですが、正方形を対角線を軸に回転させて出来る上下2つの円錐を、軸を含む平面で2等分し、一方を90°回転して張り合わせることでできる立体です(画像はスフェリコンの概念の模式図です)。現在ではこの立体を、玩具などのプロダクト商品やオブジェ等に応用して広く使われているそうです。
これに、今回はソファという機能を持たせるわけですが、ソファとスフェリコンをカケアワセることで、今までにない概念のソファになるのではないかと期待しています。
まだ、検討段階ですが、こんな魅力があるのではという項目を挙げてみました。
[スフェリコンの魅力]
- ボールのようにコロコロと転がして簡単に動かせるのに、おもしろい動き方をするので、動かしたい衝動にかられ、ずっとソファとふれあってしまう。
- タイプの異なる2つの座面が一体となっているので、その日の気分やスタイルに合わせて、使い分けられる。
- 2つの座面が組み合わされていることで、子どもの隠れ家のような空間ができたりと「ソファに座る」という使い方以外の可能性がいっぱい。
このように魅力満載のソファですが、「座った時の安定性の問題」や「具体的な使い方の想定」など、解決しなければいけない問題点もたくさんあり、もうしばらくは、試行錯誤の時間が続きそうです。
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TYPE A/B
http://www.type-ab.com/
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no.9 「スフェリコン」
4月3日にコンペのグランプリが決定しました。
グランプリ決定までの流れは、FLANNELさんや名古屋工業大学のブログからでもその様子が伺えますが、審査会は、緊張感がありながらも、和やかなムードで進められ、学生も審査員も楽しみながら行うことができたのではと感じます。特にゲスト審査員である原田さとみさんやそのお子さんの陸くんが加わったことにより、専門家とはまた違った視点で審査してもらえたことで、学生にもよりリアルな意見が届いたのではないでしょうか。
そして、一次審査、二次審査を経て、今回のグランプリの1作品が決まりました。
グランプリ作品は、工業大学の学生らしい発想で、「スフェリコン」という幾何学形をモチーフにしたもので、転がすと不思議な軌跡をたどって転がっていくというユニークなアイディアをソファに応用したものでした。
審査は5つの指標をもとに公平に行われましたが、最終的に審査員の心をつかんだのは、学生らしい独創的な発想とこれからどう変わっていくのか審査員の誰もが想像がつかないところだったのではないでしょうか?
グランプリに選ばれたアイディアはこれからTYPE A/Bと提案者である富田君と共に商品化へ向け、具体的なデザイン検討を行っていきます。私たちもこのアイディアがどんなものになっていくか、まだ想像もできませんが、想像できない事にこそ、今回のプロジェクトを行う意義を感じています。今回は富田くんのアイディアをもとに進められますが、他の学生たちの作品にこめられた想いも作品の中に組み込みながら、1つの作品に出来ればいいなと思っています。
これからの動きにもみなさん温かい目で見守っていてください。
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TYPE A/B
http://www.type-ab.com/
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no.8 真剣にソファと向き合いました
商品化デザインを決定する公開審査が行われました。
不本意に終わってしまった中間発表から約3週間、それぞれの立場で真剣にソファと向き合いました。どうしたら親子が楽しく使えるソファになるか?どうやったら子供の成長にあわせ、長い間愛用されるソファになるか?など、ひたすら自問自答を繰り返したり、議論したり、とにかく使用する人の時間をより豊かにできるソファを創りたい一心で考え続けました。
今回のプレゼンテーションは、そういった思考の層をしっかりお見せできたものになったのではないかと思います。審査方法も1次審査2次審査があり、1次審査ではフランネルソファ、TypeAB、そしてゲストの原田さとみさんと陸くんといった審査員による質疑中心に進められ、2次審査では取材にきてくださっていたサカエ経済新聞、グッドニュース・ジャパンの記者さんお二人の質疑中心で進められるという形式でした。これにより、多方面から作品を見てもらえて、いろいろな意見をきくことができ、とても勉強になりました。
そして、もっとも印象的だったのは、プレゼンを聞いている人がみんな楽しそうだったことです。中間発表では見ることのできなかったことで、やはり多くのエネルギーを注いだ事柄というものは人になんらかの影響を与えられるのだと改めて思いました。(スペシャルなゲスト審査員のおかげという部分もありますが。。)
ソファについて真剣に考え、その考えたことを様々な人達に見てもらい、多くの反応を生で感じることができたのはとても大切な経験になりました。ものづくりにおいて重要なことを学べたように感じます。
また、今回選ばれたものがこれから社会に生み出されるまでの過程というのは僕らにとってとても大きな衝撃を、多くの感動を与えてくれるものだと思います。それがどういう衝撃や感動であるのかはまだ僕らにはわかりません。
わからないからこそとても楽しみな気持ちでいっぱいです。なので、これからもこのプロジェクトの展開に大きな期待を持って学生一同取り組んでいきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします!!
【今回発表された作品たち】
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名古屋工業大学/伊藤研究室
http://www.type-ab.com/ti_di/index.html
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no.7 商品化デザイン決定
この日を今か今かと待ちわびて、ようやく4月3日の公開審査日を迎えることに。
その会場となる名工大伊藤研究室に到着するも、学生たちが意外なまでにリラックスしている様子に、まず一安心。
そうこうしているうちに、ゲスト審査員である、タレントの原田さとみさんと、息子さんの陸(りく)くんが登場し、伊藤先生とのごあいさつです。原田さとみさんは、姉妹でアパレルショップ「ぺネ・ロープ・パリ・ぺティヨン」を経営している他、主婦タレントとしてご活躍中です。名古屋工業大学の伊藤先生とも親交があり、審査員としてぴったりだという事で、来て頂きました。しかも、今回のデザインコンペテーマ「Children/子供」にぴったりな息子の陸くん(8歳)も参加することで、子供目線でのリアルで率直な質問、意見が審査の中で、とても重要な役割を果たすことに・・・。最後に、今回取材して頂けることとなった、サカエ経済新聞さん、グッドニュース・ジャパンさんが到着し、全員集合です。
予定通りにプレゼンテーションは始まり、まず一次審査。
初めは緊張した面持ちでスタートするも、陸くんの一言ですぐに明るい雰囲気となり、学生たちは5分という限られた持ち時間の中、いっぱいまで懸命にアピールしていたのが印象的でした。
前回の中間講評時、どうしてこのデザインなのか?または、そこに至るまでのプロセスの見えないプレゼンテーション?とはうってかわり、‘かけあわせ‘プロジェクトの趣旨をとらえたプレゼンテーションとなりました。
思考の過程、プレゼン力、独創性、発展可能性、機能性、の5項目を5段階評価して審査しました。
一次審査でまず3人が選出され、二次審査へとコマを進めてグランプリ選出!と、進行していきましたが、審査員として‘公正であること‘を念頭に、私たちフランネルソファとしては、‘違う視点‘からソファづくりがここではしたいという考えから、独創性、発展可能性に重きを置いて、今回は採点させて頂きました。
ソファという概念を1つに絞らず、各々がソファという1つのモノに真剣に向き合ってデザインされた模型たちには、生命が吹き込まれたかのように見えました。
感動です。この、一からデザインされていくプロセスが見えるスケッチや模型たちは、TYPE A/B、FLANNEL SOFA,学生3者の共有財産です。
皆様には、ぜひ、最終報告、発表という、次の大きな舞台でこれらのステキなソファたちを見に来て頂きたいなと思います。10月14日~25日に開催される、今年で5年目となる名古屋のデザインイベントNDW2009(ナゴヤデザインウィーク)で、フランネルソファ大須ショールームを会場としてグランプリ作品の商品化発表が催されます。これはどなたでも見に来て頂くことができますので!
そして何よりも楽しみなのが、この独創性に満ちた、グランプリ作品を今後どのようにTYPE A/B×フランネル×学生とがかけあわさり、商品化の道を歩んでいくのか?という事です。その模様は随時リポートしてまいりますので、全てのプロセスを含めてご覧になって下さい。
ワクワクですよね?私たちもこれからどう作品が商品へと変化していくのか見えない形のプロジェクトなのですから!
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FLANNEL SOFA
http://www.flannelsofa.com
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ハギレプロジェクト
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