no.38 縫製型取り
ウレタン付けされたスフェリコンソファ(商品名は、「RONDO/ロンド」に決定)。これに今回の展示品の張り地である、エクセーヌ(フェイクスエード)を張って、ソファとして完全に仕上がるのですが、縫製に関してももちろん「型」が必要で、型を作って、試作して、仮に張ってみてOKであれば、本生地で張る、という流れとなります。
ほとんどの面がRによって構成されているロンドは、一枚の布を被せて寄るしわをできるだけ1ヶ所に集中させて、縫製ラインがなるべく少なく済むように縫製型を作ります。
ソファ左肘部分の円錐型の突起部分は、縫い込みが一本で済むだろうと、予想していましたが、思いがけず二本必要ということに。
面に対して縫製ラインが多いと、野暮ったくなってしまうので、背後ろにかけての切り替え部分だけステッチを入れて、縫い込みの前2本にはあえて入れません。それによって、目線がそらされて、2本入った縫い込みも目立たなく、気にならなくなる、という効果があります。
さて、こうした工夫が盛り込まれつつ、仮張りとなりますが、思った通り縫製はすんなりときれいに上がりました。(難度の高いことはしているのですが・・)あとは本張りですが、現在縫製中ということで、ひとまず待ちとします。
上記にも様々なことが書かれていますが、皆様が展示会場で「縫製を見る」としたら、こんな事に焦点を当ててご覧になってみて下さい。
- どのラインでパーツ分けされているか、どうしてそのラインなのか・・。
- ステッチがある部分とない部分がある。どうしてか・・。
- パーツ分けされているが、縫製されている部分とそうでない部分がある。それはどのようにして仕上げられているのか・・。
- ステッチはエッジのトップにあるか、そうでないか。
等々、「縫製を見る」面白い見方ではないかと思います。色々想像しながらモノをまじま
じ見てみるのも一興かと。どうぞ参考までに。
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no.37 やさしく成長しました
とうとうウレタンが貼られました。どうです、このやさしい〜曲線!!カッコいい木枠から一気にやさしく、かわいい表情となりました。スケッチ、プロトタイプ、木枠、ウレタン装着後と各段階によって見え方が全く違ってきます。これもモノづくりの醍醐味の一つかもしれません。生き物の成長を見守っている感じです。本当に毎回驚かされます。
富田さん(このソファのデザイナー)もスッポリと体をおさめて気持ち良さそうです。もちろん座っているだけではなく、写真のように腕をまわしたり、高い肘掛けの方にもたれたり、転がしてみたりといろいろ試してとても楽しそうでした。
自分達の思い描いたものが実際に生まれてくる。その興奮を感じながら、あと1ヶ月駆け抜けます!!
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no.35 ウレタンづけ開始
昨日で下張りの工程まで完了して、今日、明日でウレタンを貼り終える予定です。そうすると、もう完全な仕上がりアウトラインが見られるので、そこまでやった上で、明日の打ち合わせに臨みたいです。
作業はもちろん、型を残しながらなので、やたらと時間がかかってしまいます。
下張りの状態だと、張力によって、内側に凹もうとするので、まず5tの薄いウレタンでカマセを入れてからウレタンづけするのがミソです。カマセを入れないとしても、張りあがりは平らになるのですが、目の錯覚で面が凹んで見えてしまい、それだけで安っぽい印象を与えてしまうので、面をわざと膨らませるんですね、ソファを色々よく見てみて下さい、トップはふくらんで、角は落としてあり、真っ直ぐに見えるラインは、センターが両端に比べて15mmほど上げてあるはずですよ、それが、真っ直ぐなライン取りです。
このソファの場合は、左肘ウラ上部が一番カマセが必要で、25mmもカマセてあります。これはさすがに予想外でしたが。
時間的に打ち合わせまで割とギリギリになってしまいましたが、ウレタンづけされたものは、木枠の尖ったイメージの角はとれ、ふんわり丸みのある感じで、やっと‘ソファ‘として皆様にお見せできる姿となりました。
これで打ち合わせに入れます。
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no.34 中までカッコいい!
先回、見学した時に切り上がっていた木枠パーツが上の写真のように見事に組み上がっていました。
最初に驚いたことは、前回のプロトタイプより格段に精度があがっていることです。このような複雑な木枠をたった一回作っただけでここまで精度が出せるとは、さすがはプロです。本当にスゴい!!1/5の模型を作るだけでも四苦八苦した僕(坂井)はただただ脱帽です。人ができないことを簡単に成し遂げてしまう技術と精神を持った者。それが、プロフェッショナルだということを感じました。和田さん、高橋さん、本当にカッコいいです。自分もそんなことができる人になれるよう精進しようと思います。
ところで、みなさん、木枠がカッコよくないですか!?木枠がカッコいいソファなんて今までこの世の中にあったのでしょうか?木枠はソファが完成した時には見えなくなってしまいます。そんなところまでカッコよくしてしまったこのソファ。完成形も素晴らしいものになること間違い無しです!!
中までカッコいいこのソファを早くみなさんにお見せしたくてうずうずしています!どうぞ期待して待っていてください!!
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no.33 下張り開始
9月9日(水)昨日、ようやく木枠が全て完成しました。注意点、変更点等をまず記録し、下張り開始。
一人掛でコンパクトな座面部分のため、バネではなく、ウェービングテープ(ゴムひもを編み込んだ、帯状の丈夫な材料)を使用します。金属ではない分、お尻へのアタリがなく、なめらかに伸び縮みする良さがあります。
さて、下張りの行程としては、前途のウェービングテープを座面に張り、その上にニット。他空洞カ所は、PPテープで形状に合わせて張り巡らせ、その上からある程度伸びのある、丈夫な布を張っていきます。これで下張りは完成です。
ようやく、座ることのできるソファの下地まで進みました。明日からはウレタン貼り、同時にウレタン型出し(型紙製作)をして、いつ注文が来ても即生産できる態勢を整えておくこととします。
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no.32 Rベニア
木枠の背表部分はRベニアでR出しをする事としました。タッカーの針が効くように、という目的と、単体だけで強度が出るように、組まれた木枠の中で、Rベニアを貼り合わせて成型合板を作ることとしました。強度のより必要な、ソファ左側は、3t+5t+3tの貼り合わせ、ソファ右側は、3t+5tの貼り合わせをして形づくられています。
まず、1枚目で理想のラインを出してタッカーで固定し、2枚目、3枚目はのりを打ってクランプで固定し、細長いコンパネを骨格代わりに背表側からビスで引っ張って、より強度を出す、という方法をとっています。
木枠の段階で、強度と美しさのあるこの方法で形づくって、一枚一枚ウレタンを6枚順番に貼っていき、仕上がりラインを出す。
頭の中では寸法通り、座り心地もより良く出せている計算ですが、どうでしょう。
一度、まずやってみる事とします。