コンパクトサイズのローソファUK。
FLANNEL SOFAでも人気ソファの1つですが、
このUKが作られたきっかけを教えてください。
ソファ張り職人 Wさん:
ソファUKの始まりを辿ると、FLANNEL SOFAの前身、卸売をしていたソファメーカ時代に遡ります。
その当時、卸先の木工家具の会社さんから、「こういうソファが作りたい」と持ち込まれたものがUKの始まりでした。
背置きクッションや、シャープな肘、脚の仕様は現在とほとんど一緒ですが、当初は背が耳付きの木材(※1)で、現在のラウンドスツールと組み合わせたものを、横長のカウチソファとしてその会社に卸していました。
その後FLANNEL SOFAのブランドとしてソファUKの販売を開始したのは、ブランド立ち上げ2年後のことで、今から20年ほど前になりますね。
その際に耳付きだった背を、今と同じ仕様の真っ直ぐにリデザインしました。
Wさんが描いてくれた当時のソファUK。背が真っ直ぐではなく、「耳」が付いているデザインでした
ソファUKとして作られて、もう20年になるんですね。
当時も今みたいに人気でしたか?
ソファ張り職人 Kさん:
僕が入社したのが、今からだいたい12年ほど前なんですが、その当時は人気がなかったですね(笑)。当時はソファの縫製を担当していて、生地は全て手で裁断していました。だいたいのソファは覚えているため型紙がなくても裁断ができましたが、UKは注文が少ないから、なかなか覚えられなくて・・・。
注文が入るたびに、どうだったかな・・・と型紙を取り出して裁断していましたね(笑)。
手で裁断をしていた当時の型紙
人気がそこまで無かったとは・・・
そういった中でUKはなぜ人気になっていったのでしょうか?
Kさん:
東京にショールームがオープンした際、お客様から「コンパクトなサイズが嬉しい」といった声が出ている、と聞くようになりました。
現在に至るまでデザインや座り心地に大きな変更はないですが、2016年にスツールのラインナップにノーマルサイズとラージサイズが追加され、さらに人気も上がりましたね。
時代的に狭小住宅が増えたことで、コンパクトサイズのソファへの需要が増えました。
限られた空間であっても、スツールとの組み合わせで、ライフスタイルに合わせた寛ぎ方が選べる、というのも理由として大きかったのかと思います。
注文の少なかったUKですが、今ではソファランキングの上位に入るくらい人気のソファになりましたね。
左から:UKスツールのノーマルサイズ、ラージサイズ、ラウンドサイズ
スタイリッシュなソファUKですが、
生地を張る際に気をつけている点、こだわりはありますか?
Kさん:
張り包みソファで、唯一パイピング(※1)があるところですね。パイピングがあることで、ソファの輪郭が際立ち、より洗練されたデザインになります。
そのキリッとしたデザインが活きるよう、パイピングの高さを一定にしています。
お客様が使用する上で、ソファとスツールを並べて置くことが多いでしょうから、並べた時にもパイピングの高さが少しでもズレて見えないように、定規で高さを測りながら生地を張っています。
また、わざと座面の四隅を少しだけ低くしていますね。 人間の視覚的に真っ直ぐに作っても真っ直ぐに見えなくて、逆に沿ってみえる、という錯視があります。大きいものほど余計そう見えるんですよね。 そのため、座面は若干ですが、弓なりになるよう生地を張っています。そうすることで、ソファの座面がまっすぐ見えるんです。
スツールと並べた際でも、パイピングの高さがぴったりと合います
定規でパイピングの高さを確かめながら、生地を張るKさん
よくお客様からUKは座り心地が良いと聞きます。
座り心地でこだわっている点はありますか?
Wさん:
座面のウレタン層に厚みをもたしているため、FLANNEL SOFAの同じローソファである、ソファSIESTA、ソファPIVOよりもモチっとした柔らかさです。
ソファUKは、適度な奥行きなので柔らかめのウレタンを厚く使用しても、強度に響きにくく、ヘタリにくく、丁度いいバランスが保てます。
奥行きがもっと深いソファになると、ソファの座面に上り込む頻度も高くなるため、このウレタン層の柔らかさの実現は難しくなりますね。
適度な奥行きで、ソファに上がりこむこともできる、そしてこの心地はソファUKならではですね。
より良い仕上がり・心地になるように細かな改良を重ねてきたソファUK
ソファUKのウレタン層
コンパクトなローソファUKは、一部抜けている背とシャープな片肘デザインで、サイズ以上に自由な寛ぎを楽しめます。
さらに3サイズあるスツールと組み合わせることで、寛ぎ方は幾通りにも。
自在なレイアウトだからこそできる、自由な暮らしをご堪能ください。